VOL.V



南フランス編



パリセーヌ川沿いに約80km下流へと向かう。ジヴェルニーは、フランス印象派の巨匠クロード・モネが後半生を過ごした緑多い静かな小さな村です。




モネ、ルノアールに代表される印象派は、アトリエを捨て自然の光と色彩を戸外で描きました。水面にはじけ、樹木に降り注ぐ柔らかな陽光を、咲き乱れる花が風に揺れているのを、婦人達の美しい衣装を軽やかなタッチで、また、ある時は、力強く描きました。





バラのアーチをくぐり、その庭園へと足を進めると、赤、深紅、ピンク、黄色、紫、色とりどりの花が花壇に咲き乱れる。いつの季節にも楽しめるように100種類を越える花が植えられているという。







日本美術、浮世絵版画を熱烈に愛したモネは、その庭園に太鼓橋がかかった睡蓮の池を作り、しだれ柳が水面に影を落とすその日本情緒たっぷりの庭園を題材に印象派の視点と技法で連作「睡蓮」を描きあげました。そこには、彼が生涯テーマとした「光」による自然の移ろいが見事なまでに描かれています。







モネが生涯傾けた情熱、人生の深い成熟感がこの広い庭園に反映されています。巨匠自ら「最高傑作」と言わしめ自らが作りあげた睡蓮の池。しだれ柳をはじめとする濃い緑を中心に、6月の、水面に咲く睡蓮の大輪、赤、白、黄色。懐かしささえ覚えるこのモネの絵から飛び出てくる風景に心打たれました。




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