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ラスベガス編



2004年11月20日日本建築仕上学会第15回海外仕上調査団の視察ツアーでラスベガスへと向かいました。砂漠に忽然と姿を現したラスベガスは、昼の顔と夜の顔の二つをもつ人工の街であります。夜には、ご存じのようにネオンきらめく電飾のオンパレードの歓楽の街であります。ポストモダニズム建築論の先陣をきったロバート・ベンチューリは、ラスベガスのポップカルチャーの徹底調査の後に”Learning From Las Vegas"を執筆しました。彼は、「優れた建築は、複数の意を喚起するものである。」として多様性と対立性を説き「建築は、装飾された小屋である」と定義づけ、一般社会における建築に装飾の意義を見出しこれからの建築のあり方を示しました。ラスベガスは、世界に広がるポストモダン都市構造の縮図としてその存在を誇示しています。



















ラスベガスには、アースカラーに色どられた美しいシルエットのホテル群が存在しています。昼の顔のホテルの色は、意外なことに華やかさをを押さえたアースカラーの建築物が多いです。現在建築中のウインは、シンプルな扇型の建物にブロンズのガラス一色であります。熱帯の楽園をテーマにした巨大リゾートマンダレイベイの金色のガラスの建物は、空港に隣接して街に入ってすぐ目に飛び込んできます。金色がいささかきらびやかすぎますが、ブロンズになると周辺のアースカラーとも調和しガラス面に周辺の建物が映しこまれ、美しい景観を保っています。ニューヨークニューヨークは、50年前のニューヨークを再現し、ラスベガスのテーマホテルを世界中に知らしめたホテルです。実物の二分の一の自由の女神を始め実物の三分の一の48階建てのエンパイアステートビル、42階建てクライスラービル、ニューヨークに実存する代表的12の建物を見事に復元しているます。このニューヨークニューヨークを除いては、ほとんどの建物が低彩度高明度のR〜YR〜Y系でした。




















茫漠たる砂漠に最初に建ちラスベガスを大カジノリゾートとなるきっかけを作ったベンジャミン・シーゲルのホテルフラミンゴは、ピンクの建物でありますがそれもショッキングピンクではなくグレイッシュなピンクであります。巨大なホテル群がそれぞれに自己主張し、ルクソールのようにエジプトのピラミッドを模してそっくり四角錘のホテルにしたり、世界屈指のメガリゾートホテルMGMのように巨大な建物に彩度の高いグリーンを配したりして個性を発揮しています。












日本の自然発生的に建った新宿歓楽街のように小さな敷地に色も形も階数も不揃いなビル群よりも広大な土地にアプローチにも工夫を凝らし、周辺の環境とも調和をはかっているのでしょうか昼の街自体は、人間の求める地球色の範疇におさまって、再び訪れたくなる街並みを呈しています。最終日近くに訪れたグランドキャニオンの重なりあった地層の美しいベージュが街全体の基調色になっているのは、見事でした。











夜の街は、がらりと変わり、カジノは、云うに及ばず世界のエンターティナーが活躍するショーも華やかで美しい。特にベラージュオホテルのショー「O」は、モントリオールの大道芸人の集まりから始まり今や世界に知られたサーカス集団「シルク・ド・ソレイユ」によるものでロシア人の多いダンサーの衣装のカラーコーディネートも一流でありました。舞台は、水の無い舞台と30m上空から飛び込むことのできるプールの二つの舞台が瞬時に入れ替わるまさに驚異的なステージであります。そして美しい人と水のコラボレーションに魅了される一時でした。ラスベガスは、砂漠の中のオアシスであり、カジノに見られるようなmoneyへの飽くなき欲望と華やかなホテル群、ショーに代表されるようなきらびやかな世界は、アメリカンドリームの象徴であり黄金に輝く魅惑のパラダイスでした。





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