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イタリア編
2003年夏、イタリアのトスカーナ州、シエナ、フィレンツエ、ローマ、ウンブリア州の古都を巡る旅に出かけました。最初に訪れたイタリア観光のメッカとも言えるフィレンツエですがここは、トスカーナ州の州都であり、小麦畑の広がる丘陵地です。点在する糸杉の林、丘の上の城郭都市などルネッサンス絵画の背景そのままの景色が続く美しい地方です。フィレンツエは、ローマに次ぐと言われる歴史、文化を誇り、都市国家の時代から政治的、文化的重要性をもっています。フィレンツエ周辺の街々には、メディチ家の館やルネッサンスの芸術家ゆかりの史跡などが点在します。このトスカーナは、農産物や交易により経済的繁栄が支えられていてルネッサンスの時代から現在に至るまでの歴史の中でイタリア文化芸術を支えています。











サン・ジャミーノは、シエナの北西38kmにある山の上に城壁で囲まれた中世の街です。本当に小さな街ですが中世の貴族達がその権力の象徴として立てた多くの塔のために「塔の街」と呼ばれ、また、塔の多くが世界遺産に指定されておりシエナと並ぶ有数の観光地です。中世そのものの佇まいは、実にロマンチックで石造りの建物は、所によっては、つたに覆われていて広場の寺院などとともに歴史をかんじさせる風情のある佇まいを見せています。











フィレンツエから南へ約70km,ぶどう畑、オリーブ林が続く田園地帯の中にあるのが中世の古都シエナです。街全体が中世美術の美術館のようなシエナの街は、茶色の屋根とベージュの外壁の建物が多く建ち並びますが、その中世都市の静寂の中の優雅な佇まいを坂道の石畳の道を歩きながら旅愁たっぷりに味わえました。起伏に富む豊かな自然にめぐまれたこの丘陵は、古くから現在に至るまで多くの貴族や富豪、文化人、政治家達が保養地として愛し好んで利用したそうです。













このシエナでは、毎年7月2日と8月16日の2回、市の中心に位置する扇型のカンポ広場(Piazza del Campo)では、イタリアの数あるパリオ祭の中でもっとも華麗で世界的に有名なパリオ祭が繰り広げられていました。そして各地区の人々が肩に色とりどりのお揃いのスカーフを巻いて私達の前を通過していきました。












緑豊かなウンブリア、ペルージャ、ローマを訪れイタリアの田園風景と文化芸術にふれる旅を終えました。イタリアの建築物の色彩はほとんど、茶系の色々で彩られています。赤系から橙、黄系までで、緑青藍紫系の建築物は、この古都の中には、存在していません。建築の色は、採れる土や石を主材にそれらの色で統一すると美しい街が生まれます。その意味では、当時は、現代のように流通手段もなく、化学物質の建築材料も無かった時代に必然的にそこで採取された土でレンガを焼き土をつみあげ漆喰でその上をおさえる工法がとられたため、古都全体がそれらの色で覆われています。南イタリアの豊かな自然とともにルネッサンスの文化・芸術を今に伝えるトスカーナへの旅は、心洗われるたびであり、改めて建築において景観を美しく保つ必然性とそれを訴える必然性を問われた旅でもありました。










イタリアの素晴らしいところは、古い街並を残すということに強いこだわりを持って、景観規制をしていることでありましょう。外壁20cmを残した内装のみ新しく変える手法は、ヨーロッパの街並みでは当然の事であります。そういう意味で民族性の違いを感じさせずにはおれません。多少壁がくずれてもそれをそのまま生かす。多少段差のあるでこぼこ道も高齢者の方は、上手によけて歩いています。色を揃え、形を揃え、イメージを揃え水と緑と道があるよい街づくりの条件ですがそれをみごとに現世に伝えるイタリアの人々には感心させられました。









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